小説b-Boy 2006年

『小説b-Boy 2006年02月号』



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NOVEL 著者 イラスト
夢みる記憶に恋をする 夢乃咲実 汞りょう
Be free 須藤直希 池玲文
永遠の恋人 山藍紫姫子 みなみ恵夢
王様と仕立て屋〜太陽の楼閣〜(後編) ふゆの仁子 小山田あみ
キスして、星の数よりも 水瀬結月 有馬かつみ
愛なら売るほど 榎田尤利 高橋悠
COMIC 著者
お隣ビルに鯉の視線♪(前編) かんべあきら
転居しました。 act.14 石田育絵



『小説b-Boy 2006年04月号』



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NOVEL 著者 イラスト
雅に恋して! 夢乃咲実 明神翼
大人の知らない事情 【初登場】 菱沢九月 祭河ななを
パーティが終わっても 【新人賞受賞】 宮園みちる 高峰顕
エロとじ♪/痴漢電車 鬼塚ツヤコ 佐々成美
薔薇色の人生(前編) 木原音瀬 ヤマシタトモコ
月にむらくも、恋嵐〜珊瑚恋歌〜 【大人気シリーズ】 玉木ゆら 六芦かえで
COMIC 著者
やわらかい棘 斑雪 宮本佳野
サクラサキヤガレ ルイコ


※↓ビブレ倒産によりこの号からリブレ出版に…。


『小説b-Boy 2006年07月号』



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NOVEL 著者 イラスト
YEBISUセレブレティーズ Valentine Rhapsody 岩本薫 不和慎理
官僚は秘めやかに恋を抱く 桂生青依 かんべあきら
エロとじ♪アダルト/隷従の檻 和泉桂 稲荷家房之介
艶やかに制服 【初登場】 あすま理彩 石原理
薔薇色の人生(後編) 木原音瀬 ヤマシタトモコ
ホテル・ラヴィアンローズ−赤− 高遠琉加 北上れん
甘い棘の在処(前編) 【初登場】 荻野シロ 円陣闇丸
COMIC 著者
うそつきな棘 宮本桂野
石油王は恋泥棒♪ 南川ぺと
わがままな人魚様 第一回 果桃なばこ



『小説b-Boy 2006年08月号』



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NOVEL 著者 イラスト
天使は獰猛に支配する 水上ルイ 六芦かえで
ラブ・スクアド−恋するひなどり− うえだ真由 海老原由里
学園ヘヴン 七条編 第一回 (原作:Spray) 市村奈央 氷栗優
執事は恋愛に惑う バーバラ片桐 藤河るり
繋がれた凶暴な獣 高崎ともや 高永ひなこ
今夜は眠れそう 火崎勇 街子マドカ
その指で恋をおしえて 水瀬結月 カワイチハル
甘い棘の在処(後編) 荻野シロ 円陣闇丸
永遠の花嫁「君臨せよ」番外ショート小説 水戸泉 蔵王大志
プラクティス 復刊記念スペシャルショート ひちわゆか 稲荷家房之介
COMIC 著者
わがままな人魚様 第二回 果桃なばこ
花色の恋人 藤井咲耶
青い空があればそれでいい 第5回 君を想う 桑原祐子
↓以下は私の読んだ作品の個人的な(下手な)あらすじと感想です(ネタバレ注意!)
『天使は獰猛に支配する』  
 「おまえみたいなドジでミダラな小悪魔、束縛しておかないとダメだ」なんてオーボーだぞ!この凶悪イジワル天使!
 アシュトは悪魔界の十四番目の王子で、人間界で立派な悪魔になるための修行中。しかし、彼の恋人のボルトロメオと言うイタリア系大企業の総師にして本来の姿は人類の抹消権をも有する大天使。そのバルトロメオの横暴で屋敷から出して貰えず、ストレスはたまる一方。それというのも悪魔というのは、元来とても慈悲深く臆病な種族だが、何故か天使や人間に対して無条件に激しく発情させるという特徴があるためだった――。

 普段にはない悪魔の設定はとても新鮮でした。ストーリー展開は、少しパターン的な感じでしたが、設定が面白く、また六芦さんの描かれるバルトロメオの天使姿も格好よくて楽しく読ませて頂きました。
『ラブ・スクアド−恋するひなどり−
 彼が僕にくれた三ヶ月。きまぐれ?それとも――。
 そこそこ名の通った一流国立大学生でありながら、四回生になっても内定の決まらない柳下千里は何度面接を受けても、面接まで何度行っても最後の面接で落ちてしまう。何とかしたいと思い、友人の紹介で採用代行会社に面接に行くが、副所長の芹沢秀儀に――ウチでは金の卵しか扱わない――と採用を断られてしまう。しかし、ここで諦めては、先は見えてる、何とか彼の助言が欲しい!と頼み込み、3ヶ月という条件付きで面倒を見て貰う事になり、何とか自分に足りない点を改善しようと芹沢の言う事を必死に聞いてるうちに、芹沢と言う人間が気になりだして――。

 金の卵ではない青年が、努力と信頼によって、少しずつ自分に自信をつけていき、大会社で内定をとるまでのサクセスストーリーという感じでした。
 就職氷河期世代としては、正直…読んでいても辛い物がありましたが、主人公が内定を勝ち取る姿には素直に「ヨカッタね」と思えました。
 ただ、最後に二人がくっついたのは、それまでいかに就職を勝ち取るか、と言う所に重点がおかれていたので、千里の気持ちの変化は感じれども、芹沢の方はイマイチだっただけに少し取って付けた感が残りました…。

『執事は恋愛に惑う』
 子供なんて相手にしない。そう思っていたのに、圧倒されるほどの熱い瞳で迫られて……!?
 精悍御曹司×ツンデレ執事 年下攻

 淳弘は大学生の頃に父親が執事として務めていた大亜グループの会長の息子の中学生・武嗣の家庭教師として出逢った時に、我が儘で反抗的な武嗣に対して厳しい態度で接して以来、何故か懐かれてしまった…。それから数年がたち、有る出来事で傷心から前職を辞め父の後を継ぎ大亜家の執事となり、武嗣と再会し――。


 最近、執事モノってよく見かける気がしますねぇ…確かに「執事」という言葉に心惹かれる所はあるんですが…残念ながらこの作品は私の琴線には触れませんでした。
 今の所、私のBest執事はかわいゆみこさんの『上海〜うたかたの夢〜』ですね。

『繋がれた凶暴な獣』
 若い獣の欲望に応える賢人。ふたりの間に存在する秘密とは…?
 危険な高校生×美術教師の夏

 臨時美術講師として赴任した高校で今枝賢人は問題児の岡西晶吾と出逢う。晶吾は妾腹だが、母親が亡くなった為、父親と義母・義兄の元で生活し、有る程度の不祥事は資産家の父親の力により揉み消されるが、問題を起こさないように父親により監視される生活を送っていた。
 学内では教師も彼にはなるべく口を出さない状況の中、晶吾が授業をサボっていたら、仕事だと割り切り彼に向き合う賢人に対して、賢人の過去を知られ、それを盾に身体を容共される…。
 最初は嫌だった行為も晶吾の寂しい心を知るようになるにつれて、いつしか彼の事を愛しく思うようになってゆくが…しかし、賢人には晶吾には知られてはならない秘密があり…。


 高崎ともやさんの作品はエロシーンがエロいですね…。いや、私、そこが結構気に入っていたりするんですが…。
 楽しく読ませて頂きました。

『今夜は眠れそう』
 振ったんだったら、優しくしないで。  切なすぎて眠れない大人の恋♪
 同期の大林真哉への想いを抑えられなくなった三上京はある日、とうとう大林に好きだと告白するが「三上の事は好きだが、恋愛だけはしたくない…お前とはずっと友人でいたい」と断られる。傷心を受けつつも『友人』としてのポジションすらも失いたくて、三上は大林への恋心を諦めようととするが、以前と変わらない態度の大林に、微かな希望を諦めきれず、切ない気持ちを膨らませてゆく…。
 そんなある日、三上のマンションが火事の影響で住めなくなり、行き場を突然なくした三上に大林が、うちにくればいいと言ってくれ同居することになるが、大林の家には布団が無く、彼と同じベッドで眠る事になり――。


 火崎勇さんらしい「テーマ」のしっかりとした作品で楽しく読めました。

『その指で恋をおしえて』
 『ご奉仕』なんてイヤだった。でも今は…貴方に会いたくてしょうがなくなってる。
 ゴーイン神主×落ちこぼれリーマン 切なくて優しい恋♪

 香山律は念願の老舗おもちゃメーカーにデザイナーとして入社して1年目のサラリーマン。一年前は希望の会社に就職し彼女も居て、順風満帆だったのに、一年後の今、描いても描いても採用されないデザイン画…いつしか足元ばかりを見る男になっていて…。ついに彼女から別れを告げられ…一年前に彼女と訪れた神社に訪れて、ペアリングを手に彼女との別れを整理に来たが、誤って賽銭箱に指輪を落としてしまい…、キッチリと自分の気持ちに自分でけじめをつけないと!と宮司の鞍野友成に指輪を返して欲しいと願い出るが、一度神に納めた物は、何かしらの奉仕活動をして貰わないと…と言われ、氏子の雅楽発表会を手伝って欲しいと言われ。
 度々、神社を訪れて行くウチに――。


 色々な出来事で自信を失っていた律が、本来の自分を見つめ直す課程が良かったです。



『小説b-Boy 2006年09月号』



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NOVEL 著者 イラスト
英国紳士 あすま理彩 明神翼
嘘つきの恋 西江彩夏 鈴木ツタ
ダイヤモンドに口づけをシリーズショートソラの笑顔に乱されて あさぎり夕 佐々成美
学園ヘヴン 七条編 第二回 (原作:Spray) 市村奈央 氷栗優
リザーブキス、エンゲージラブ 浅見茉莉 一馬友巳
最上の男。 【初登場】 六堂葉月 南月ゆう
SASRA プロローグ 【初登場】 Unit Vanilla 円陣闇丸
COMIC 著者
わがままな人魚様 第三回 果桃なばこ
青い空があればそれでいい 最終回 LOVE STORM! 桑原祐子
集計!! 男の社内恋愛 沢口忍
↓以下は私の読んだ作品の個人的な(下手な)あらすじと感想です(ネタバレ注意!)
『英国紳士』  
 「他の男には抵抗しなさい。いいね?」僕が出会った公爵(デューク)は、冷たい瞳で熱い愛を囁く情熱のひとで――!…由緒ある貴族と紅茶のロマンス♪
 香乃菜生は紅茶の輸出入を専門に行っている会社にバイヤー兼営業として働いている。現在は入社二年目にもかかわらずロンドン本社への転勤してきたばかり、と言っても菜生が特別優秀な社員だったからと言う訳ではなく、先日両親が揃って交通事故で亡くなり、一人娘を亡くした祖父が気落ちし体調を崩した為だ。
 両親は父がイングリッシュ・ローズという紅茶の買い付けに訪れた英国で出会い恋をしたが、祖父に仲を反対され、母は駆け落ちした為、祖父は菜生に心を開いてくれようとしない。しかし、母が駆け落ちをする時に祖父の元に残していったイングリッシュ・ローズの入れ物を娘の思い出しながら寂しそうに眺めている祖父を見て、もしその紅茶を祖父に飲ませてあげられれば少しは祖父の気持ちも慰められるのでは…と思い探したのだが、その紅茶は最高級品であるが故に、代々の顧客である貴族の予約だけで出荷分がなくなってしまうような「幻の紅茶」であり、菜生の様な一般にはなかなか手に入れられないものだった…。
 しかしいつかは、と希望を捨てずに日々を一生懸命に暮らす菜生だが、ある日突然“紅茶泥棒”と間違えられた所に助け船をだしてくれたのは、瀟洒な燕尾服に身を包んだイギリス紳士然とした青年で彼の城に連れられてきた菜生はそこで紳士がエドワード・ローレンス公爵と知り、驚き更にそこで飲んだ紅茶のあまりの美味しさに驚愕する。そして、その紅茶こそが、探し求めていたイングリッシュ・ローズである事を知り…ひょんな事からエドワードに紅茶について教わることになり――。
 
 粗筋が長く成りすぎた…。
 タイトルからどんな話になるのかなぁ…と思いましたが、イギリスを舞台に紅茶に情熱を傾ける人たちのお話でした。菜生の紅茶に対する思い、前向きな姿勢など読み応えがあり、またお茶好きとしては、沢山のお茶が出てきて読んでいて楽しい作品でした。
『嘘つきの恋
 一途でひたむきな恋人なんて鬱陶しい。でもいつか、ぬくもりに甘えはじめていた…。
 33歳の関和貴は二枚舌を持っている。心で思っている事とは正反対の事をさも本当の様に話せるのだ…。13歳でゲイだと解ってからは自由な恋愛を楽しんできた。しかし十年前に別れた西崎の事は今でも時折思い出し、事ある毎に粉をかけてしまう。そんな自身の行動も何時もの気まぐれの一つと軽く思っている。そんな関がふとした気まぐれから、全く自分の好みでもない大学生と関係を持つ。青年・大野友彦は身長こそ高いものの、ヒラメ顔にハの字眉で、着るモノもダサくていかにも田舎の青年と言った風情で、性格は何処までもお人好しで…。最初は飽きたらすぐに別れれば、と思っていたのに、何故か関係はズルズルと続いていき――。
オススメ!
 最初はとにかく関の性格が捻くれていて、どうしようもない感じでしたが…話が進むにつれ、なぜ彼がその様な性格になったのか?自分を必死で守ろうとしている裏返しなのだ…と言う事が説得力をもって理解出来、同時に彼の寂しい心が胸に迫ってきました。そして、そんな関に寄り添い、どこまでも関を許容し、溺愛する11歳も若い大野の愛に関が癒されていく様子は心に迫りました!!
 作者は私には初めての作家さんですが、今後注目しようと思います。

『リザーブキス、エンゲージラブ』
 ブルーグレイの射抜くような瞳に、あなたを忘れられない自分を、自覚した……。
 ホテルで燃え上がる、再会ロマンス

 露木千里は大学卒業後、スイスのホテルスクールで学び、グロリアホテル&リゾーツの幹部候補としてNY本社採用となり、そのままホテルグロリアNYで数年勤務し、その経験を買われホテルグロリア東京のアシスタントマネージャーとして赴任してから半年、日々訪れるお客様と接し、トラブルには的確に対処している千里だが…ある日、金褐色の髪にブルーグレイの瞳の外国人に目を奪われる。彼ジェイ・ラドフォードは千里のNY時代の上司で…千里が儚い恋心を抱いていた相手だったから――。
 折しもホテルには本社より内密の視察が入る事になっていて…。


 千里が仕事に打ち込む様子にホテルで働く人々の日常が垣間見えた感じで読んでいて面白かったです。ジェイからのアプローチを千里の臆病な心が素直に受け止められない所も、好きだからこそ、臆病になる…という気持ちもよく伝わってきました。ただ、話の筋はすぐにわかってしまいましたが。

『最上の男。』
 オカルトなんた大嫌い!な秀和が、実は“オカルト”だった!?
 おまけにエサは大嫌い!なアイツだなんて――!!

 16歳の佐倉秀和は徹底したオカルト否定派、しかしそんな彼が、自分がヴァンパイヤだ…と言われた夢を見た日から突然、同級生の男子達の“匂い”に強く惹きつけられるようになり、しかも中でも一番強く秀和を惹きつける“匂い”を出していたのは、よりにもよって秀和が一番関わりたくないと思っていた津元啓吾で…“匂い”はヴァンパイヤとしての秀和の食料としての香りだた――。

 なかなかツッコミ所満載のオカルトコメディでした。オカルトと言っても全然恐くなかったですが(笑)。
 個人的にはオカルト否定派の秀和くんには正直もうちょっと頑張って否定してほしかった気がしますが、まぁ背に腹はかえられないですからネ…お腹が空いたら仕方ないですよね(苦笑)
 たまにはこういう話も面白かったです。

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